情報をどう見てますか?
友人の生物化学博士に電話して聞きました。
「チェルノブイリで被爆した子供にスピルリナを飲ませたら、尿の放射能レベルを半減させたという研究結果があるみたいだけど、それについてどう思う?」と。友人は子供の成長と栄養の研究ではアメリカで権威ある博士なので、この質問をするにはピッタリの人です。
彼女曰く、即答で「気休めにしかならない」ということでした。理由は、単純に説明できるものではないみたいだったので、特に追求しませんでしたが、とにかくクロレラとかスピルリナを飲めば大丈夫というのは、気持ちがそれで楽になるというくらいのものだろうと。
そこで、彼女に手短かに私のような普通の人にでも分るように、説明してもらえるよう聞いてみました。「もしあなたが今、東京にいたらどうする?」と。
それに対する友人の回答は下記の通りです:
野菜やくだものの産地を考えて食す
魚介類はよく考えて買う(魚などは移動するから)
飲み水はミネラルウォーターにして洗濯などは水道水で大丈夫
政府や原発反対者の情報ではなく元の情報を収集して自分で判断する
「野菜やくだものの産地を考えて食す」、「魚介類はよく考えて買う」、「ミネラルウォーター」という、この3つには重要な点があると思うのですが、それはやっぱり体内に入れるものには、十分注意しないといけないということですね。
じゃあ、放射線は大丈夫なのか?と聞いてみたら、それについては標高が高い山の上などは、よっぽど放射線が強いはずで、それでも人は生きていけるのだから、放射線が低い方がもちろんいいに越したことはないけど、今の時点では関東にいても、ものすごく危険ということはないと思う、ということでした。
尚、生物化学などの研究室には、水に含まれる全ての成分をろ過し、純粋な水だけを取り出せる装置を普通は持っているだろう、ということでした。実際、彼女の研究室にはそれがあり、毎日、当たり前のように使っているということ。でも、残念ながら家庭用でそのようなものはないと言っていました。
さて、最後の情報収集についてですが、石井さんが彼女のブログでも書いていますが、友人の生物化学博士が言っていたことを更に付け加えてみます。
原発の情報に関して政府や、またはその反対に位置している、原発反対者たちの言葉を鵜呑みにしないという理由は、例えば”1000”とういう数値の情報があったとして、その1000という数字は、見方によっていかようにも解釈されてしまう。なので、アジェンダ(意図、計略)を持たない機関の情報を自分で判断した方がよい、ということ。
それはつまりは、大学の研究室とかそういうことを指すのだと思いますが、純粋に学問を追及していて、データを使って人々にこういう風に思わせようという、意図のない機関の情報を、ある程度自分で調べて判断できる能力が必要、ということなのでしょうか。
チル大のみなさん、これまでチル大ではチル脳トレーニングをされてきたことと思いますが、今こそ、その力を子供達のために最大に活かしてください。
今、テレビからの情報だけしか入手していない人と、ネットで情報収集し、自分で判断する力のある人と、原発問題に対する考えには温度差があるのではないでしょうか。
反面、ネットで検索しすぎて、例えば広瀬隆さんのビデオなどを見て、極端に怖がってしまっている人も中にはいるかと思います。少し前に、広瀬さんのビデオをミクシーのコミュで紹介させていただきましたが、私の意図は「それを全面的に信じなさい」というものではありませんでした。
テレビのニュースだけで入ってくる情報と反対の意見を見てみて、判断材料となる情報の幅を増やしておき、その中で自分で判断するための材料になればいいかと思っていたのです。正しい知識がないと、ただ怖くなってしまうだけというのは、この問題に限らず多くのことに共通することと思います。
さて、もし私が関東に住んでいる妊婦か、小さな子供のいる母だったらどうするか・・・
きっと避難していると思います。その時にこれまでの生活が変わるとか、価値観が崩れ落ちるとか色々葛藤があるかもしれませんが、でも自分だったら早い段階で、これまでの生活に終止符を打って避難すると思います。それは今の段階では、そこにいたら危険だということではないけれども、リスクがあるかどうかと言えば、明らかにリスクは高いと思うからです。
でもこんな風に言えちゃうのは、日本に長年住んでないので、日本人のしがらみとか理解できないからかもしれません。ただ、そのしがらみって、何かあった時に自分を守ってくれるのかしら?って思うのですがどうでしょう。
しかし、どのような問題でも、変化を起こさなければならない時には、できない理由がたくさんでてくるものだと思います。ただ、どう行動するかは、やはり誰のせいでもなく自分自身の選択ではないでしょうか。
チル大生のあーちゃんが、東京から田舎に避難された心境を書いてくれています。
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放射能の被害は今すぐに目には見えないけど、懸念は大げさではないかもしれないということは、Youtubeでチェルノブイリ原発事故のドキュメンタリーを見てみると、見えてくることがあると思います。
「政府や原発反対者の情報ではなく元の情報を収集して自分で判断する」ということが簡単ではないですよね。
私はずっと前から原発にやばい、と思っていて(学生の頃はこんなに世界中に原発があってどこかで何かあったら、誰も汚染とまったく無縁ではいられないし、そんな世界に子供を産み落とすことなんてできない、と極端に考えてもいました)、今回も、本当に起こっていることは何なのか、ネットでいろいろ検索していますが、純粋なデータをわかりやすく提供しているところは私は見つけ出せませんでした。
日本の原子力関係は、大学であっても国立大学などは国からお金が出ているわけですから(独立法人とはいえ)、結局政府の御用聞き的な立場は否めない(=福島の現況もとりあえず大丈夫、的な見解)と思います。
京大の原子炉研究の教授たちが原子力に反対の立場をとられていますが、彼らは「異端の研究者」とも呼ばれています。
原子力という強大なエネルギーを扱うこの分野の研究は、結局大きなお金が絡む話なので、単純に中立の立場という研究者が存在しにくいのではないでしょうか?
今回の事故後、放射能の雲は今どうなっていて、どこにあるのか、という情報は日本のウェブサイトでは私は見つけられませんで、家族がドイツの気象庁のサイトを見つけました。
どうして、こんなにも今日本にいる人々が必要とする情報が、日本にないのか、不思議だし、悲しい気もします。
マミ~のおっしゃるとおり、本当に今ほど自分自身の頭が試されるときもないですね。
参考に、京大の小出裕章教授の講演会のビデオのリンクです。
http://www.youtube.com/watch?v=4gFxKiOGSDk&feature=related
震災後に図書館で4歳の息子が「絵で読む広島の原爆」という本をなぜか選んできました。それを読みながら、本当にどうして原子力でこんなにむごい目にあった歴史をもつのに、「核の平和利用」といって原発を造り続けるのか、と思います。
90年代の東海村処理施設の事故でなくなった作業員の方はまさに、原爆でなくなった人のようでした。
これまで原発に興味がなかった多くの人々が、この機会に原発について知り、原発のない社会に変えてゆく第一歩になることを願ってやみません。
投稿情報: めぐ | 2011/04/07 09:05
めぐさん
ありがとう!
今、こういうことを発言するのはタブーな空気があるようですが
私も、自分が信じている通り発言していこうと思っています。
京大では他にも今中哲二助教が発表していることがありますね。
この方は前に観た何かのビデオに出てきましたが
昔からチェルノブイリの調査を毎年現地に行って行っている方です。
http://www.kyoto-np.co.jp/top/article/20110328000068
投稿情報: マミ~ | 2011/04/08 12:50