
私たちが持つ概念は、まるで大海に浮かぶ金魚鉢のようです。海の水と鉢の中の水は同じ。しかし、本来なら鉢というバリアを無くして、大海に自由に出られるはずが、自分自身でリアリティーであると思い込んでいる概念によって、鉢の中に閉じ込められたままになっています。私も含め多くの人たちはきっと、自分は自由に生きていると思っているでしょう。でも本当の自由ってなんだろう?と時々考えてしまいます。自分自身で思い込んでいる概念を手放さず、もしくはそれらから解き放たれない限り、鉢から外に出て自由に大海で泳ぐことはできないと思うのです。その環境は誰か自分以外の者や物が用意してくれるのではなく、リアリティーは自分で創りあげていくもの。しかし他者から与えられた鉢の中が居心地よければ、それはそれで良いのかもしれません。でも、鉢の外に出ることも、または鉢の中に戻ることさえ、スウスウと自由に出入りできるようになりたいものです。そうでなければ、たとえ今住んでいる鉢が心地よくても、常に(あっちにはもっといい世界があるかもしれない)と、鉢の中から外を眺めてはストレスを持ってしまいそうです。しかし・・・なんだか鉢の外に出るのも戻るのも”想う”だけでできるようになる気がしてなりません。

外に出てはじめて、これまで”隣の芝生は青く見える”というように見て、無いものねだりをしていたことに気づくかもしれません。そして今、現在、この時点で、私たちが生きている環境や、一緒に生きている大勢の人間という仲間たちや、周りにいる生き物たち、地球の自然は本当に素晴らしいという実感が心の底から湧き、鉢や柵の外に出ずにも幸福はここにあったのだ、と思えるかもしれません。しかし鉢の中に囚われていると思いつつ生きていると、どうしても、鉢の外に出さえすれば、何か自分の力だけでは得ることのできなかった別世界が、用意されているように思ってしまいます。
私は巷で言われているアセンションには期待していません。でも自分自身の概念から解き放たれ、何にも囚われず清々しく今を生きることができたら、アセンション後もアセンション前も、鉢の外と内と同じように、どちらでもいいこと、つまりあってもなくても自分は動じないものとして、達観して見ることができると思っています。向こう側に行きたいと思うのは、そもそもが、こちら側と向こう側を別物だと思っている故に、出てくる意識ではないかと思うのです。
さて、数週間前に車を運転していた時に、(そう言えば何にも囚われずに生きているように思える人って、そうそういないなあ・・)と思いを馳せていました。面白いことにボオっと何かをイメージで思っている時は、いつも額の辺りからプロジェクターのようなもので、映像が投影されているように見えています。この時も肉体の目では景色を見ながら、同時に額からの映像を見ているという、車を運転しながら完全に二重現実の世界でした。時々、そんな風に運転してたら危ないかも?と思うこともあり、プロジェクターのスイッチをオフにすることもあるのですが、田舎道をひたすら走るのはつまらないんですね。なのでよく別世界に行ってしまっています。この時は知り合いの人たちを映像として投影して、(囚われてない人いるかなあ)と一人一人を思い浮かべ、面接でもしているように見ていたのですが、本物の自由人ってなかなか居るもんじゃなかったんですね。でもかろうじて一人だけ(あ、一人いたいた)とイメージに浮かんできた人がいました。アンディーです。私はアンディーのことはほとんど何も知らないので、なぜ彼が頭に浮かんできたのか不思議でしたが、でも色々な人のことを次々に頭に浮かべても、彼以上に自由に生きているように思えた人はいませんでした。
アンディーはラスティーの牧場で、トタン屋根を直したり、水道工事をしたり、フェンスを直したり、蛍光灯のスイッチを付けたり、またはトイレ掃除をしたり、大工さん・・というよりは、何でも屋さんのような仕事をしています。もう10年以上そんなことをしているそうです。他の人たちからも呼ばれればお手伝いに行っているそうです。うちでは近いうちに馬用フェンスをアンディーに作ってもらおうと思っています。彼は仕事が終わるといつも、カップを持って(お酒)ブラブラしています。というか、仕事をしている時でもフーラフラ、ヘーラヘラした感じで冗談を言いながら、(これ以上リラックスしてる人っているんだろうか?)というくらい、腑抜けに見える存在です。私は彼に会うと少し言葉を交わしますが、いつもどうでもいいような話しかしません。しかも外見は、あのままヒゲを剃らずに大きな街に出たら、知らない人が見たらホームレスのおじさんにしか見えません。でも私はアンディーと話するのは、くだらない話をしながらでも、時間が無駄と感じたことは全くなく、いつもなんだか不思議な面白ろさがあるなあ、という気分にさせられています。
前回書いたお話に戻りますね。
私とアンディーはルナのことで外で立ち話を始めました。すると先ほどまで止んでた雨がまた降ってきたので、私たちはトタン屋根の下に入りました。そのメタルの建物は、壁はなく屋根と骨組みだけで床はコンクリート。昔、教会の集会所として使っていたそうです。今は干草の倉庫にして、私の馬の餌も後ろの方に置いています。でも馬のイベントなどをラスティーの牧場でする時に、ここでハンバーガーを作ったりするので、一応キッチンと呼ばれるものもついているのですが、砂埃が溜まっていてとっても小汚い。アンディーはキッチンの棚から、お徳用の大瓶のウィスキーを出してきて、彼のカップにドボドボ注ぎ、それにコーラを入れました。「おめえも飲むか?」と勧められましたが、ノーサンキュです。そして、埃だらけのプラスチックの椅子に坐るように勧めましたが、私は椅子に坐るよりも立ってた方が汚れなさそうなので、そのまま、立ったまま「しっかしアンディーみたいに、政治がどうなっているとか、経済がどうなのかとか、会社の業績がどうだとか、そんなことを気にしないで生活しているのは、気が楽だろうねえ」言うと、「オー、ノー」と彼は人差し指を私の方に向けて、チッチッチっとやります。
「悪いけど、俺はこう見えても政治にはうるさいんだよ」と、ホームレス風のおじさんに言われても、一体どこから社会の情報を受け取っているのですか?という疑問が湧いてしまうので、「またあ、冗談言って~」と私は軽く受け流そうとしました。しかしアンディーはしつこく、チッチッチっとやっています。なので「OK、OK、じゃあ、あなたの考えを聞きましょうか」と私は上から目線で言うと、「おめえよ、この国はそのうち暴動や革命が起こるってもんよ」と言います。「え、アンディーって陰謀説好きだったの?」と笑いながら聞きかえすと、「俺はよ、もう10年以上も前から今の現状を予測してんだぞ。その頃ラスティーにはキチガイだって笑われてたけどよ、でも今じゃ、ラスティーも俺が言ってたことが現実味をおびてきたって言ってんだぞ。いいか、よく聞けよ。大体が金融が昔から牛耳られてたことが問題なんだ。あんな何の価値もない紙をばらまきやがったが、アイツらのしてたことが、今ひっくり返りそうになってんだ。」と言います。先ほどまで愛想を込めながらも上から目線でニコニコしながら、アンディーの言うことを話半分で聞いていた私は、目の色が変わり彼の風貌からは想像できない、インテリジェントな言葉が出てくるのに驚きながら、真面目になってアンディーの話に聞き入りはじめました。
「紙幣はアイツらに牛耳られているんだぞ。俺は何十年も前から金に投資しているが、おめえよ、株なんかやるんじゃねえぞ。これから社会は大きく変わるからな。持つとしたら金だぞ。銀でもダメなんだぞ。銀はあるファミリーに牛耳られているからな。価格はそいつらが勝手に操作できる。何十年たっても信頼できたのは金だけだ。」とアンディーは言います。こんなへっぽこ牧場で小間使いのような仕事をしている乞食のようなおじさんに、「投資は金に限る」と言われても、なんて返事したらよいのか分かりません。でも彼を外見で判断せずに、言っていることの中身だけで判断すれば、「ルナの治癒は自然に任せろ」と言われて納得したように、なるほどと頷けるものがありました。と言っても、私には投資など無縁の話ですが。
アンディーが言うには、アメリカは今、亀裂寸前の状態にいるとのこと。次世代まで持ち越す時間はないから、一般市民が何かしでかすかもしれないということ。でなければ、世界政府がお出ましになる、つまり新世界秩序に向かって、一部のエリートたちに人間が家畜のように、牛耳られるようになるということ等々、マルクスが書いた言葉なども交えながら、それはそれは饒舌に語っていました。まるで別人と話しているのではないかという錯覚を持ったくらいです。私が「あなたはどこからそういう情報を入手しているの?」と聞くと、「どこでもねえ。ニュースなんか見たって何も見えないぞ。人類の歴史を見るんだ。人類の歴史は大昔から繰り返しているからな。それを見て考えれば誰にでも明白に分かるってもんだ。」ということでした。
話し込んでいたら、辺りはかなり暗くなってきて、打ちつける雨が大粒となってきました。私は子どもの頃によく、暗くなってから家に帰って母に叱れました。まあ、子どもが暗くなっても家に帰らなければ、親は心配になるのは当然です。しかしナンセンスだとは思いながらも、この頃の思いが未だに消えず、47歳のおばさんになった今でも子どもの頃のように、暗い中外にいると何か悪いことをしているような気分になります。トタン屋根からのバタバタという雨の音がコンクリートに跳ね返して響く中、そんな謂れのない罪悪感が湧いてきて、且つジャケットを着ていても震えてくるくらい急に肌寒くなってきたので、私はアンディーに「もう帰るわ」と言ってさよならしました。アンディーならいつでもここに居るし、何も慌てて色々な話をしなくても、いつでも話ができるからいいやと思ったからです。でも、あれから何度もアンディーに会っていますが、(別人ですかこの人?)と思えるアンディーは、あの時以来、登場していません。なので、あのような会話をしたのはあれっきりで、今はいつものように、どうでもいい世間話をするだけです。
ところで、アンディーが金に投資しているという話は、私は半信半疑というか、ほとんど信じずに聞いていたのですが、次の日ラスティーと牧場で立ち話していて、アンディーにルナのことをアドバイスされたという話をすると、ラスティーが「おお、アンディーはああ見えても、ものすごく頭がいいからな」、そして「知ってるか?アンディーは大金持ちなんだぞ」と言います。私が目を丸くして「うっそ~~!?」と言うと、「あいつのファミリーは銀行なんだよ。アンディーとお母さんは銀行のオーナーなんだよ。」と・・・今でも信じられないのですが・・・「じゃあなんで、そんなに大金持ちならアンディーの車、あんなにポンコツなの?」と私が言うと、ラスティーは笑いながら「まったくそうだよなあ。車は昔からポンコツしか乗らないし、ヒゲはそらないし、汚い格好しているし。でもそれがアンディーなんだよ。あいつは昔っからそういう奴なんだ。」ということでした。
すっごくお金を持っているのに、まるで何も所持していないように生活するなんて、よほど精神が強くなければできないことではないでしょうか。大金持ちなのに、人のコマ使いとしてトイレ掃除したりするんですよ、彼は。65歳くらいのおじさんが、トタンの屋根を直すのにハンマー持ってはしごに登って、トンカンやっているワケなんです。そして、人から(ホームレスみたいな人)と思われ軽くあしらわれたりするんです。それでもヘラヘラしつつ、囚われない生活を彼は選択しているのですね。以前、(囚われていない自由人は誰だろう?)と想像した時に、どうしてもアンディーがイメージに浮かんできたのは、こういうことだったと私はやっと気づきました。
アンディーがお金を持っていても持っていなくても、それに囚われずに心を自由にしている生き方は、大海に浮かんでいる金魚鉢に入っていながら、まるで境界性がないかのごとく、自由に内と外の両方を行き来できることと共通するものがあります。一言で表現すると“達観”です。私はアセンションについても同じように思っています。2012年にアセンションするとかしないとか境界線を自分で設けずに、アンディーがお金が持っていても、持ってないように生きているのと同じように、自分が今、立っている此処に地に足をつけて、達観して毎日を生き切りたい。そう思うことができれば、自分を取り巻くものの真の価値が、クリアーに見えてくるのではないかと思っています。
P.S.
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こんにちは。お久しぶりです(って忘れてるかもしれないけど・・・)
じゃあ、はじめまして、でいいです(笑)
またコメントしに返ってきてしまいました。
こうやってコンタクトをとりたいと思ったのは、3年ぶりくらいかな?
今年になって、マミ~のブログにたどり着いたのは、なんでなのかな~?
昨年は1年間忙しく、パソコンに向かうことも英語育児も普段の生活もままならない状態でした。どうやら、自分自身が少し変わり始めて、今少しマミ~の引力(?)に引き寄せられているようです。
で、インテリジェンスのかけらも持ち合わせていない私は、マミ~の書いている内容を、字だけでは理解しながら「???」まったく理解できていませんでした。
私には「マミ~はなぜこんなにあせっているんだろう?」というように読み取りました。
(まったく持って個人の見解です)
で、私の生活の中では春くらいから「自己内省」する部分があって、そういったところから心理学の領域に足を少し踏み入れたみたいです。
そしてこの間、図書館で1冊の本を借りてきました。本当にたまたま見つけて・・・周りの人からみたら、「この人ちょっとアブナイ?」とみられそうな題名なんですが、そんなことはどうでもいいですよね。
その本にこのブログに書かれていることが載ってて・・・ほぼ、載ってたんです。
まだ全部読んでいないけど・・・。そしたらマミ~の書いていたことが一気に理解できました。
・・・ウソです。読むのに必死な1年生のごとく乏しい理解ながら感じることができました。
マミ~は「ほら!早く目覚めんかい!」って気分なのでしょうか?
・・・私はやっぱりまだ怖いです。ほんと、あっちにもこっちにも自由に行き来できるような想像力がいりますね。
第3の目を見つけるには煩悩を取り去ること、ですが瞑想すら出来ずにいます。
まだまだ不勉強なんだろうなぁ・・・。
ちょっととりとめのないことばっかり書いてしまってごめんなさい。
私は今そんな風に受け止めています(^^)
ところで、ナサちゃん?でしたっけ?
彼はその後どうですか?実は読んでる本にアメリカの地下基地は溶かして作っている、って書いてあったんです。(なんか掘削じゃなくて、そういう方法があるらしいと)
爬虫類も、私はまた日本の首相?とか思ってました(--;
鳩山さんごめんなさい・・・。
すべてがその本のとおりとはいいませんが・・・。
投稿情報: おーやん | 2009/11/11 13:12
こちらでははじめまして。先日個人メールをした○きんです。
)
会ったこともないけど、アンディさんのファンになりそうです。
(お金持ちだからじゃないよ
そのアンディさんが「これからは金」発言!流石です!
日本でも経済のお勉強してる知人がお金はないけど「金を買った」と言ってました。金が高騰してる理由がわかりますね。
情報を得てる人たちと、そうじゃない人たちの姿が垣間見えるようです。
投稿情報: こきん | 2009/11/11 14:01