パスチャーでなかなか捕まえられなかったペッパーですが、この子は学ぶのが早い!逃げて走ってもいいことはないと学んだに違いないと思うのですが、昨日は私がパスチャーに行くと、5メートルくらい離れたところで、私の方を向いて立ちすくみ、しばしの間ジっとしていました。(逃げるべきか、行くべきか・・・でも昨日、逃げるのをやめて近づいたら優しくしてくれたし・・・)なーんて考えてたかどうかはなぞですが、とにかく何かを考えた結果、ジャジャ~ン、私が体を引いておいでおいでと手で招くと、すぐにスタスタ来てくれました。
ということで、昨日ペッパーをパスチャーで捕まえるのにかかった所要時間は3分以内。おとといは45分かかってたそうです。ラスティーにパスチャーでの出来事を話しした時、「おお、そうなのか~。俺は見てなかったけど、大変だったなあ」と言ってやがりましたが、昨日、「45分パスチャーでがんばってたみたいね」とロレインが言っていました。「え?なんで知ってるの?」と聞くと、「ラスティーが時間計ってたのよ」だって!!おい、あのタヌキおやじっ!(笑)
しかし、サニーはペッパーほど早くは学べませんでした。彼はアホです。(笑)じゃなくて、ホントはかなり賢いです。でも、刷り込みされた人間に対する不信感が、なかなか消えてなくならないのです。今でもルーチーンを行っている場合は問題ないのですが、ネガティブに刷り込みされたことは、時々不意にリアクションとして出てきます。
私は息子が小さい頃、勉強させることよりも、親が持つ既成概念や、過去から引きずるネガティブな観念を植え付けないよう注意していました。その作業は息子の問題ではなく、私の心の問題でした。例えば、カッとする時ももちろんたくさんありましが、その時になぜかいつも私の父の輪郭が、心の中にボンヤリと浮かんでいました。そのパターンに気づいた時に、これは親が頭にくるようなことをする、小さな息子の問題ではなく、私の心の問題なのだと気づいたのです。だからと言って、そういう感情が起こらないようにするのは至難の技ですが、しかし気づくことから始まり、改善していくことができます。
さまざまな観念を刷り込みされると同時に、知識をインプットされるよりも、極端に言えば、知識のインプットはほとんどなくても、心配だとか不安だとか、自信が持てないとか、自由な発想ができないとか、世の中には不可能なことばかりだとか、いつも人にジャッジされているとか、人と同じことをしなきゃいけない等々の刷り込みをされていない方が、後から自然と伸びる子になると思います。
最近、結構およろしい大学に合格した姪は心が素直です。頭はそんなにおよろしくはありませんでしたが、でも後から伸びたんですね。私たちの所で1年生活し、アメリカの高校に1年留学した後、ほとんど独学をして自分の力で、そのおよろしい大学の、妙に漢字の多い名前の学部に合格。数日前に知らせを聞いたおばさんは感無量です。思うに、彼女にはネガティブな刷り込みがあまりなかったから、スクスクと成長できたんだろうなあ。
その逆に、いくら知識を詰め込まれても、心に手錠をかけられているように、重くて暗い意識が刷り込みされていたら、前に進むことにフォーカスできず、おおらかに生きていくのが困難になるのではないでしょうか。私自身がそういう時を通り過ぎてきましたので、もし、なにも心配しないで子ども時代を過ごすことができたら、、、と何度も悔やんだことがありました。まあ、でも、私のような奴が、あんまり伸び伸びと育ってしまってたら、今頃、手がつけられないほどに自信満々の、弱者の気持ちの分からない、超鼻持ちならない女になっていたと思います。
私はいつも近所の大人や親戚の大人たちから、頭のいい子だと言われていました。でも、普通以下の子になってしまいました。 なぜなら、家庭内での心配事が多かったからです。まあ、そればかりじゃなくて、自分が好きじゃないことは一切やらないという性格も、普通以下になってしまう理由ですが。(宿題やらない→興味ないから)(時間に行けない→行きたくないから)ああ、、、今考えるとこういう気性を息子は私から引き継いでいたのだ・・・彼は(宿題やったけど提出しない→先生が嫌いだから)という生徒でした。親子揃って不届き者です。
私は子どもの頃、今日、殴られないで済むにはどうしたらいいか、今日、ご飯を無事食べられるにはどうしたらいいか、というサバイバルモードで生きていたので、楽しく学びましょう~♪どころの騒ぎではありませんでした。ですから、私のマインドは「生きる」ために全開になっていて、他のことにまで気は回りませんでした。馬でも人間と同じパターンなんですね、きっと。サニーにはもしかしたら同じ匂いを感じた故に、どうしてもサニーを引き取りたくなっちゃったのかもしれません。しかし、虐待されてた馬の心をほぐし、巻き戻しするのはとても忍耐のいることだと、ペッパーをトレーニングするようになって初めて深く認識しました。
ペッパーは何も心配していません。だからかストレートに教えることができます。サニーの調教の場合は、いつもいつも、これでもかこれでもかと、(それでいいんだよ、ちゃんとできているよ、大丈夫だよ、誰も怒らないよ・・)と心で言い続け、常に安心させてあげないといけません。じゃないと、まるで私が虐待でもしているかのごとく、「フガ~~ッ」っと興奮します。そうなんです・・サニーちゃんはいつもフガフガしているんです。(笑)ペッパーにももちろん、ちゃんとできていることを伝えて安心させてあげますが、サニーのように、常に大丈夫、大丈夫と、ボディー・ランゲージで安心させてあげる必要はありません。なので前進が早いです。
ペッパーには昨日ベアバック(鞍をつけないで裸で乗ること)で、アリーナで乗りました。昨日の写真のように、ホルターについているリードロープをクルクルと巻いて手綱にします。ロレインが側で見ていましたが、この間ベアバックで乗ったよと言うとビックリしていました。ペッパーはベアバックで乗られたことがなかったそうです。私の方がビックリです。なぜなら、ペッパーはぜんぜん平気だったから。彼女の横に踏み台を置いて、何回か足を体の上にかけては下ろし、かけては下ろしした後、ほい、じゃあ、今度は乗るよっと、よいしょと乗っても、そのままおとなーしくしていました。おとといは、ラウンドペンでベアバックで簡単に止まるし曲がるし、トロットにも私がお腹を引き上げ、ほんのちょっとだけ内腿を締めると行くので、そのままアリーナに出てみました。
なのでこれまで彼女がベアバックで乗られたことがないというのはビックリです。ベアバックの方がボディーの指示が伝わり易いので、邪道かもしれませんが、先にこれで教えておくと、サドル(鞍)をつけた時に、指示を伝え易くなると思っているんですね。実は、テキサスに日本から今年の夏来た人たちに、馬にベアバックで教えるのとは逆に、人間の初心者が初めて馬に乗る時にも、ベアバックで乗ってもらいました。
というのは、私が馬を習い始めてしばらくした後、ベアバックで馬に乗って、初めて色々なことに合点が持てて、(なんで普通、馬に乗るのを教える時に、ベアバックから教えないのだろう?)って思っていたからです。鞍などの道具を使う前に、裸の生の馬の上にまたがれば、馬の解剖学を体で体感できるので、その後に馬の骨格とか見れば、なるほど!って頭で覚えることと、体で経験することが一致しやすいと思います。テキサスで初めて馬に乗った人たちは、ベアバックで先に乗ってから、鞍をつけて乗ったので、鞍をつけて乗った時には(けっこう簡単)と思ったと思います。
でも、ベアバックだとコントロールし難いところがあるので、ちゃんとコミュニケーションができてない馬に、ベアバックで乗るのは危険だと思います。ちなみに昨日、ペッパーに乗ってアリーナのフェンス沿いを歩いていたのですが、後方から「タタンッ、タタンッ、タタンッ・・」っという足音が迫ってきました。一瞬の出来事だったのですが、私は馬にしては小さい足音だな、一体なんの動物かなと思っていた時、ペッパーが慌てて走り出そうとしました。ペッパーが気づく前に私の方が先に気づいてたと思うので、すぐに止めることができましたが、前足二本上がっていました。ダッシュで走ってきたのは、チョコレート色のラブラドールでした。
ペッパーにはビット(はみ)をしていませんでしたので、もしペッパーがもっと怖がりな子だったら、ちょっと危なかったと思います。その時ロープを引いたのですが、そういう時に出される馬力はロープではコントロールできません。この時にペッパーは(あ、このロープで引っ張られても、ぜんぜん平気。なーんだ、この口に巻かれているロープって、ぜんぜん痛くないんじゃん)と気づかれてしまったような・・・。多分、この私の勘は当たっていると思うのですが、ここでロープの効用をばらしてはいけないと思って、その後は、逆にロープで指示はせずに、腰と足だけにフォーカスしました。緊急の時にはロープがあるぞ!としておきたいので、ロープを甘くみられてはそれができなくなってしまいます。
ちなみに、サニーはロープをなめています。ちょっとくらいロープを引っ張られても、なんともないのを知っているのです。実際、疾走している時には、体はものすごいエネルギーで真っ直ぐに向かっていますので、そういう馬力が出ている時に、私の力でロープを引っ張っても、彼の体を曲げることができないのです。それほどスピードがでていなくて、トロットくらいでしたら、ワン・レイン・ストップもロープでできますが。
一度はトレイルで、牛たちを急に追っかけ始めて、サニーが疾走しました。その時ロープで乗っていたので、(ああ、もう、無理、止められん、このまま乗り切るしかない)という状態でした。結局、大きなサークルを描いて、少しずつサークルを小さくして止めることができましたが、一緒に外乗に行った人をハラハラさせてしまいました。私は、その時は(ひょえ~~楽しい~~)と、ものすごい解放感を味わっていましたが、後から思い返すと怖いです。
その他、広いパスチャーで疾走された時も、止めようと思ってもロープでは彼の体が板のようになっていて、内側に曲げることができませんでした。しかも、疾走している時に急にウサギが出てきたので、(やばいっ!)と思って心の準備をしたら、サニーはそれに気がつかなかったのか、横跳びしなかったのでセーフ。ちなみに、昨日もベアバックで乗ってたら、ウサギが飛び出てきて、横跳びされました。ああ、やっぱり、馬に乗るって何があるか分からないから、怖いのねえ。いつもその時は、解放感を感じて楽しいのですが、後から思い返して冷や汗がでています。
でも、裸で馬に乗るのは理由があって、と言っても鞍をつける時間が今日はないとか、そういう日もベアバックで乗っていますが、トレーニングの理由としては、裸で乗った時に私のボディーの動きで、止まるとか前にでるとか曲がるとかの指示を教えておくと、鞍をつけた時にそのボディーランゲージを移行させやすいと思っているのです。裸で乗るのはそういう理由なので、年中裸でバンバン馬に乗っているワケではありません。それだと馬の背骨に負担がかかり、あまりよろしいことでないですよね。
サニーはベアバックで、両手を離して乗っていても、私の体に彼の足がついているような感じで、彼の足が自分の足の延長のように、歩くだけでしたら右も左も曲がるのも思うように動いてくれるようになりました。ただ彼にベアバックでトロットされると、バンバンなりすぎてバランスを取るのが難しいです。しかしサニーと比べたら、ペッパーはリビングルームのソファーに坐っているようで、ベアバックでトロットしても、トロントロン、ポインポインと超らくちん。今、音で表現できないかがんばってみましたが、トロントロン、ポインポインで伝わったでしょうか?(笑)ちなみにサニーはドスンドスン、ドタンバタンドタンバタンです。
では、そろそろ牧場に行く用意しようっと。
P.S.
にほんブログ村のランキングに参加しています。
よろしければポチっとクリックお願いいたします。
↓ ↓ ↓
コメント