ちょっと前までうちの息子は、ブラジリアン柔術なるものをやっていて、かなり真剣にMMAを目指して、プロの格闘家になりたいと言っていました。その頃、まだティーンエイジャーの華奢な筋肉で、アメリカ人の首がない筋肉隆々のごっつい人たちと、毎日、取っ組み合いをしていました。私から見たらあんなもん、噛んだり、チンチン蹴ったりしなきゃなんでもOKなんじゃないかと思えるような、ルールなんてない取っ組み合いにしか見えませんでした。
3度の飯より好きな柔術をやるために、16歳~17歳の彼は毎日、体を自分で鍛え、腹筋は完全に割れ、だんだんと首なし男になりつつあるところでした。いやあ、本当に鍛えれば肩と首の間に三角形の筋肉がついてくるもんなんですねえ。私は、汗をほとばしらせ、片手で腕立て伏せする息子を横目で見ながら、息子をこんな風に育てるつもりはなかったのに・・・と思ったものでした。
うちの夫のロバート選手は、、、えっと、選手というのは私が勝手にそう呼んでいるだけで、スポーツ選手とはほど遠い性質の、繊細で優しい英文学者で現代西洋詩の詩人です。その夫と私の間にできた、小さい頃から手塩にかけて育ててきた息子が・・・なんだい?プロの格闘家?ありえねえ。それでも私たちは、彼にはできるだけの応援をしていました。その裏でロバートは「ドゥーゲンはボクたちに嫌がらせをしているのか?」とこぼしていました。小さな頃から、アカデミックな教育を与えてきた我が子が、プロの格闘家になりたいと、全精力を取っ組み合いに注いでいるワケですから、夫にとっては子どものやりたいことを尊重する気持ちはある反面、「プロの格闘家目指してイエーイ」とノリノリにはなれません。息子が10歳の頃に読んであげてたダンテは、いつの間にか格闘の段手に摩り替わっていたのでした。
でもプロの格闘家というのは、数年前に彼がなりたかったものよりはまだマシです。まずは13歳の反抗期の頃、息子はジョージ・フォアマンが支援しているボクシング・ジムに毎日通っていたのですが、その辺りからしばしの間、かなり本気で革命家になりたかったみたいで、自分の部屋にチェ・ゲベラやレーニンのポスターを貼り、暗記をする勢いでマルクスを読んでいました。その頃、スペイン語を覚え、学校で差別されているメキシコ人たちの多くが持つ宗教の、カソリックのお祈りをスペイン語で暗記し、彼らの文化を知らない間に学んでいました。そして、学校で差別されているメキシカンの男の子たちに、彼らのルーツであるメキシコの歴史について話しをし(なんでお前が知ってるんじゃ!?)、「差別されたままじゃなくて立ち上がるんだ」と啓蒙していたようです。(お友達から聞いた)そして、学校で国歌を三唱する時に、一人で拳を上げていたもんですから、学校から親が呼び出されました。でも今はスペイン語で論文を書けるようになっているので、それはそれでプラスになっています。
その後、15歳くらいまでは、革命家からなぜか道が逸れて、彼はギャングのボスになりたかっったみたいです。「ランチの時、ボクは列に並ばなくてもいいんだ」と言った時、私にはすぐにその意味が分からなかったので、どうして並ばなくてもいいのか聞き返しました。すると、列の前にいる子が自分の順番を空けてくれるということだったので、「それじゃあ、ヤクザと同じじゃないか!」と怒ったことがありました。やっぱりその頃、私たち親は何度も学校から呼び出されました。今でも彼は、自分を尊重してくれない大人には、(お前がそうなら、こっちだってこうだ)というような態度をし、絶対にへりくだりませんが、その頃は子どもを尊重しないと思える先生には、絶対に屈しなかったので、私たちは何度も学校からお呼ばれされました。
革命家好きだった頃は、家の倉庫で化学品を混ぜて爆弾のようなものを作り、それが軽く爆発して、倉庫から炸裂した音と共に、ヨタヨタと出てきた息子。私がビックリして何も言えない状態で呆然と立っていると(顎が床まで落ちる状態)、自分の方から「マミー、もう絶対しません。ごめんなさい」とフラフラしながら、焦点が合わない目をしながら謝っていました。マフィア好きだった頃は、オンラインで写真のような帽子やズボンを注文して、こんな格好をしていたので、(そんなに好きならゴッドファーザーのように写真を加工してやる)と思った母は、彼に内緒で写真を加工してみました。息子はこの加工写真のことは、今でも知りません。
しかし、うちの子を私が好きなように加工できるのは、デジタル・フォトくらいで、彼自身を自分の好きなように加工しようなど試みたら、そんな匂いを彼が感じただけでも、私の方がこてんぱんにやられてしまいます。まだ15歳くらいの頃でしたら、めちゃ反抗されたくらいでしたが、17歳の今なら、私の方が息子に、道理が通った話で優しく説明されて、諭されてしまいます。
しかし、ホルモンのバランスが落ち着いてくると同時に、態度も落ち着いてくるものなんですねえ。ところがその頃に、息子はブラジリアン柔術にはまり出したものですから、心は落ち着いてきたものの、彼のフォーカスは格闘技まっしぐら。筋肉モリモリまっしぐら。ま、それもその子の選んだ人生だからしょうがないと、親はなんとか彼の選択を尊重しようと思っていた頃、息子は試合で膝を痛め、両膝を順番で手術することになりました。
(続く)
P.S.
今日はラウンド・ペンを作ります。アラビアンの新米くんは土曜日の朝に我が家にやってきます。
ラウンドペンってこんなの:
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座右の銘メーカーって知ってる?
これにうちの子の名前を入れてみると
「海賊王に 俺はなる」
しかもこのメーカー、苗字と名前の間にスペースを入れたりすると、
また違ったものが表示されるんだけど、うちの子のばーい、
スペース入れても同じでした。
海賊王かよ!!
これを見たとき、私はドゥーゲンを思い出しちまいました…。
投稿情報: えどまむ | 2010/01/29 06:42
えどまむ
今見てみた。
会社メーカーなるものを見たら
会社名 ランディー由紀子株式会社
事業内容 発明品開発・販売
売上高 81億4558万円
純利益 13億0329万円
社員数 244人(うち非正規241人)
平均年齢/年収 42.1歳 / 518万円
社員構成 87% 外国人社員
12% 酒豪社員
01% 居眠り社員
社訓 寝る子は育つ
社訓の寝る子は育つが気に入りました。(笑)
英語本の社訓にするか。
エドは海賊王ですかい。かわいい海賊王だね。
いや、かわいくて手におえない海賊王か?(笑)
投稿情報: マミ~ | 2010/01/29 07:18