先日、「最近、息子が面白い(1)」という日記を書きましたが、彼が13歳から15歳くらいの間は、息子が面白いとは、地球の裏と表くらいほど遠い、うちの子、怖い状態に突入していました。その年齢は世間でよく言われる反抗期ですが、いやあ、ホルモンの関係なんでしょう、どうも反抗期がない子も、世間には存在するらしいのですが、うちの場合は強烈でした。まるでHieronymus Bosch(ヒエロニムス・ボス)の絵の世界のようでした。それでも、約2年間で彼はその状態から卒業してくれたので、私たちはまた、普通の人々が味わえる、安心感とか平穏な気持ちを持って、穏やかに生活できるようになりました。
ちなみに、シリーズで息子について書いていこうと思っているのですが、それは子育てしている方たちに、お伝えしたいことがあるからです。本当は「はい、コレとコレとコレ」ってな具合に、箇条書きにして、私の経験をシェアさせていただきたいのですが、私は話が長いヤツなもんで、遠回りに思える話になってしまうと思いますが、どうぞ気を長くして、読んでいただければうれしいです。きっとあなたの中で、ジワジワと感じていただけることがあると思います。
さて、息子は13歳になった頃、ボクシングを始めたのですが、その場所はスラム街にありました。親は心配でたまらんのですが、13歳になったら急に、(自分のことは自分でやる。親は引っ込んでろ)オーラをムンムンさせてただけでなく、実際、私たちは彼の選択には何も口出しできない状態になっていました。なので夫も私も、ボクシング・ジムに彼を送り迎えするだけで、月謝を払う時以外には、中に入ったことがありませんでした。そうなんです。息子は毎日ボクシングしてたのに、彼がボクシングをしているのを私たちは見たことがないのです。息子が中に入らせてくれないのですから。
同じ頃、息子は、教育熱心な親なら、誰もが入れたいと思うような高校に受かりました。中学校の学年主任の先生から、「この子は私立でも公立でも、全国のどの高校でも入れます」と太鼓判を押されていたので、いい高校に受かるか受からないかの心配はしていませんでした。でも、私たちにはそれよりももっと大きな心配がありました。それは息子の人生の選択に(親が出る幕がない)ということでした。そして結局、彼はスラム街近くにある、新しくできたばかりの高校に行きたいということで、受かっていた進学校には行きませんでした。私は(うそだろ~~)とガッカリしましたが、(親は引っ込んでろ)と、眼飛ばして反抗している息子をねじ伏せるのは無理でした。
でも結局は、その学校では何も学べないことがすぐに分かり、別な進学校のギフテッドのクラスに、学年が始まってからでしたが、特別なケースとして編入させてもらえました。全国テストの点が特別に良かったからです。ところがそのマンモス進学校で、今度はスラム街で鍛えられいたからか、ギャングについていく方ではなく、一番目立つ悪いヤツになってしまい、その学校からも親は呼び出しをくらいました。ちなみに、私たちは彼が幼稚園の頃から、年中、学校に呼び出されています。
その高校で言われたのが、ギフテッドのクラスにいる生徒で、ギャングになった子は前代未聞である、と。普通は家庭が乱れているとか、貧困であるとか、学校の勉強についていけないとか、そういう子しか不良はいないということでした。でも、先生の目の前に(逮捕されたりとかはありませんでしたが、学校のポリスもいました)、小さくなってポツンと坐っているのは、大人しそうなカレッジ教授の父と、喋らなければ大人しそうに見えるかもしれない日本人の母です。しかも、離婚した家庭ではありません。もう、学校側も親もワケが分かりません。そんな折、私が馬にはまったため、私たちは田舎に引っ越したので、息子はその後はオンラインでホームスクールとなり、ギャングからは自然と手が切れました。私はそんなことを計算していたワケではなく、自分が馬を飼いたいとしか考えてなかったのですが、あれは上手い具合に按配がよかったです。
しかし、学校のことからなにから、夫のロバートは全てにおいて、「何でもいいんじゃないの・・大丈夫だよ・・なるようになるよ・・」という、のほほんとした態度。あの頃、私は息子だけでなく、夫の態度にもよくイライラさせられました。例えば、スラム街に息子がよく行くようになってから、夫はそういう環境の映画やら、本やらを図書館で借りてくるワケなんです。息子がギャングに傾倒していた時も、まるで油に火を注ぐように、ギャング映画やドキュメンタリーや本を山済みにして、息子に見せているんです。私は心の中で夫のことを(あのアホが~っ!一体なにをやっておる)なんて思って見ていたのですが、夫が借りてくるマフィアのテレビドラマ・シリーズに思わず釣られ、結局、彼らよりも私の方がドラマにはまってしまい、ソプラノズのシリーズを全部観てしまいました。あと、ゴッド・ファーザーは何回観てもいい映画ですね。
このような夫の態度は、息子が革命に傾倒していた時も全く同じで、息子が反逆的に興味を持っていることを止めようとはせず、逆にホレホレ、ここにもっとあるよと、夫は図書館や本屋さんに足しげく通い、またオンラインでDVDを借りまくって、革命関係の情報が、いつもテーブルの上に山済みになっていました。ただし、一生懸命それらを見るよう勧めるのでもないのです。しかし、、、マルクスに傾倒するのはいいけど、ポルポトとか毛沢東は止めて欲しかった。また私の中では、チェ・ゲベラはOKだったけど、カストロはOKじゃないとか、意味のない差別をしていました。とにかく、ハッキリ言って私は夫にそんなことをするのを止めて欲しかったのですが、でも、私自身も別なことでは夫と同じことをしていました。
※ちなみに、私が伝えたいこととは、短絡的に読み聞かせをたくさんすればいいとか、ビデオをたくさん見せればいいとか、そういう話ではありません。どうぞこのシリーズ、最後まで長らくお付き合いいただき、ああ、そういうことだったのかあ、と腑に落としてくださいませ。
例えば息子が反抗期に入る13歳まで、彼はテレビというものには無縁で生きていました。ところが反抗期に突入した途端、テレビが観たいと反抗しやがるんです。なので、アンテナをつけました。そしたら、ダラダラダラダラとずっとテレビを観やがります。しかも、それまでテレビを観る生活をしてなかったので、よっぽど面白ろかったのでしょう。チャンネルをバシバシ年中変えながら、テレビに何時間も釘付け。そこで私は言いました。「吐くまで観ていいよ」って。そしたら、しばらくしてから息子の方から、「ボク、もうテレビ観たくない。こんなことずっとしてたらバカになる。お願いだから、ボクにテレビ観るのを止めるように言って」と。それから彼は、テレビをあまり観なくなりました。今は、皆無です。アンテナ無いし。(笑)
ファースト・フードを食べたいと言い出した時も、同じパターン。家で夕食を食べないで、彼は一時、マグドナルド漬けになっていました。それまでは、玄米とか食べてたのに・・・。でも今は、自分で健康な食生活に気をつけていて、しかも料理好きです。また、お酒を飲みたがった時には、家族で飲みました。徹底するために、大きな酒屋さんに行って、ブランディーとかバーボンとか、色々なお酒を研究して、そして実際に試させてあげました。全部買うと高いので、ミニ・ボトルで色々なものを揃えて試しました。家族で毎日、違うお酒を試していたら、私は体調が悪くなりました。今は、息子は私にカクテルを作ってくれたりします。昨日はカンパリをグレープ・ジュースとソーダで割ったものを作ってくれました。美味しかった。
さて、最近になって、英語本のスタッフの石井さんとまなりんと、私たちが昔していた読み聞かせについて話しをする機会があり、私はスカイプで彼女たちに、ガンジーとかマザーテレサなどの伝記ものの読み聞かせをお薦めしました。英語本のミーティングは、いつも私が脱線するので、仕事以外の話しばかりしています。で、息子がその数日後、「この間、マミーたちが話ししてたのが聞こえたけど(PCのスピーカーなので会話全部が丸聞こえ)、ボクちょっと気づいたことがあるんだけど・・」と言います。どういうことなのか話しをよく聞くと・・・
長くなりすぎたので、続きはまた今度書きますね。
あ、ちなみにうちの子は今は17歳で、もうとっくに反抗期は卒業しています。大学に行く準備中で、ただ今、勉強中。でもなんか、今、彼の部屋からお線香の匂いがしてくる・・・
ほんでもって、今日は馬のビデオ撮れませんでした。朝から、霧のような小雨が降り続いています。
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to be continued・・・・え~っ!!
まるでドラマを見ているような終わり方、上手いです。
『彼が気付いたこと』とは・・・。
とっても気になります。
『線香の匂い』が何かを暗示しているのでしょうか・・・
次回のアップが楽しみです。
馬のビデオも楽しみにしてま~す。
投稿情報: おうちへ帰ろう | 2010/02/02 16:52
おうちへ帰ろうさん
こんにちは。読んでくれてありがとうございます。
楽しみにしてくれる人がいると分かると、書く気が出ます。
でも、(スカッ、なんだそんなことだったか・・)と
期待を大きく裏切らないようにがんばります。(笑)
投稿情報: マミ~ | 2010/02/03 06:21