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馬と人間のコミュニケーションの世界をより良きものにするために
馬との関わり方など、テキサスから真摯に想いをシェアするべく書いて行きます。
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一週間前くらいでしょうか、私は15歳の少年ダスティと、約2時間くらいラスティーの牧場でトレイルライドに行きました。ダスティのお父さんとお母さんがラスティーの牧場のグリルを使って、週に2回くらいラスティーの所でハンバーガー屋さんをやっているのです。
その日、ダスティはやることがなくてブラブラしていた様子だったので、私の方から「トレイルライドに行く?」と誘い、彼は馬を連れてきてなかったので、ラスティーの奥さんのロレインに馬を貸してもらえるよう頼んであげました。
15歳の男の子が48歳のおばさんと、馬にパッカパッカ&とろとろ乗りながら、約2時間も過ごすなんて何が楽しいのだ?っていう感じですが、ダスティは私のことが好きみたいで、いつも側にくっついてきます。うちの子が15歳の時は、そんなことありえない話でした。
でも、それにはワケがあるんです。ダスティは11歳の時に、現在の養父母に引き取られたのですが、それまで彼は親戚の家や近所の家をたらいまわしにされていたそうです。彼はちゃんとした家庭で育っていない。きちんとした大人に見てもらってきていない。だからか、彼のことを優しい目で見てくれる大人の側にいたい子なんです。家庭で得られなかった愛情を外に求めているのでしょう。
私自身がそういう子だったので、彼の不安な気持ちが手に取るように分かります。だけどかわいそうとか思っても、彼のこれまでの過去が消えるワケじゃなし、それをバネにして、大きく育って欲しいと、テキサスの大きな空の下、私はダスティと馬に乗りながら、天に(力を貸してください)と祈りつつ、ダスティに色々なお話をしました。
ダスティは将来、車の修理工になりたいと言いました。私は「そーなんだね~、機械いじりが好きなんだね~」と言いました。「学校ではどうなの?」と聞くと、彼は自分がいい生徒ではないということを延々と告白してくれました。私は言いました。「それはしょうがないよ。誰でも同じ環境で生きてきてたら同じだよ、きっと。だけど、だからと言って、それに押しつぶされちゃいけないよ」ダスティは私にいかにも少年らしく、自分のタフさを自慢しました。「ボクは何にも負けたりしない」ってね。「それはいいね!じゃ、これからも難しいチャレンジがあったら、立ち向かっていけるね」と私は言いました。
「ところで、機械いじりが好きだっていうなら、そこから発展させて、他にはどんなことができるか、ちょっとブレイン・ストーミングしてみない?」と私が言うと、ダスティはワクワクした様子で、横にいる私の方に体ごと向けて、馬に乗っているのにまっすぐに乗らず、完全に馬の上に横になって乗っていました。まあ、大人しい馬だっていうのと、小さい頃から馬に乗っているので、アクロバットのように馬に乗っていながら、トレイルを歩いていても、彼はちっとも怖くないのでしょう。
工場の機械を作るとか、中古の車の修理じゃなくて、新品の車を作るとか、だったらどうせならイタリアのフェラーリに就職しちゃえば?とか、ロケットを作るのだって面白ろそうだよねとか、だったら、ロケットサイエンスを勉強しなきゃいけないぞとか・・・話は色々弾みました。
ダスティは自分の将来は中古の車の修理工になると決めていたので、他にも色々選択があるということを考えてもらいたかった。もちろん修理工になることが悪いことではないのだけど、自分の可能性に15歳の時から限界を設けてもらいたくなかった。だからと言って、この少しの時間のおばさんとの会話で、彼の人生が変わるというワケではないかもしれません。でも私の場合は、おじさんとおばさんの所で、小学校の低学年の時に読んで貰った、いわさきちひろが今でも強烈に記憶に残っていて、そういうことが自分を変えた一滴のしずくであったように思っています。
ダスティに幸あれ
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