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馬と人間のコミュニケーションの世界をより良きものにするために
馬との関わり方など、テキサスから真摯に想いをシェアするべく書いて行きます。
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私のブログを読んでくれている方から、質問メールがありました。ブログで回答してくれればよいという旨でしたので、こちらに書きますね。
2点あって、一つは障害は馬の体に悪いんじゃないかという点、もう一点は、馬も犬のように、人に飼われたら同じ人に飼われるべきで、売り買いしない方がいいと思うけど、なぜそうならないのか?という点。
1つ目:
ジェリーの馬たちは動物病院に連れて行くことはないそうです。馬が体を壊して問題があったことは、記憶にある限り大昔のことで、獣医に見せなければならないことはほとんどないと言っていました。なぜなら、彼ら(ジェリーとジェリーの奥さん)には、長い経験と知識があるため、馬の様子をちゃんと分かって見てあげられるのでしょう。医者に見せる必要がないのです。実際、彼らの馬たちは、もうほんとうに健康そうで豪華絢爛。ジェリーたちは実は貧乏なのですが、馬たちだけは信じられないほどゴージャスなんです。
昨日うちの馬たちを彼らのところに連れて行ったら、ジェリーはゼファラスの駈足を見てすぐに何か気がついて、そして奥さんのメリーがゼファラスの体を点検して、ゼファラスが腰に軽い問題があることを発見していました。私は整体に連れていったのでそのことは知っていましたが、彼らはほんの少しの間、馬の動きを見て、体を触ってそれをすぐに分かっていました。その後、私はメリーから毎日どんな運動をさせたらいいか、そしてどういう風にマッサージしたらいいか、簡単に教わりました。
反面、私は小さな怪我を悪化させてしまったりして、動物病院に連れて行ったり、馬運車から下ろす時に、サニーが馬運車の天井に頭を打って、眉間を縫ってもらったり・・・知識と経験がないため、競技など全くしていないにも関わらず、年中馬に怪我をさせていました。知識と経験があるとないのとで、馬たちの健康が守られるかそうでないか、大きな違いがでてくるといういい例です。
障害をやったら体に悪いということではなく、知識と経験もない人が障害をやらせたら危ないとは思います。だから、いい先生が必要で、優れた装蹄師さんが必要で、経験ある獣医さんが必要で、そして、そういう人たちから学べるよう、馬を飼う人はオープンマインドであることが、馬たちのウェルネスには必要なのだと思います。ライダーは馬のために、学ぶことで頭を鍛え、感じることで心を養い、そして体も鍛えなければいけないと、すごく感じている今日この頃です。
問題は障害は馬に悪い、競馬は馬に悪いというような、"What"じゃないと思います。重要なのは何をするかという”何”じゃなくて、何をするにもどうやってやっているかという、"How"なのではないかと考えます。ちなみに障害や競馬は馬の体に悪いということで、もし日本で禁止になったとしたら、馬肉になってしまう馬がたくさん出てくるでしょうね。
2つ目:
馬の売り買いがよくなかったとしたら、サニーを虐待していたオーナーから、私はサニーを買うことができず、彼を劣悪な環境から救ってあげることはできなかったでしょう。やはりこれも、What(売り買いがダメ)なんじゃなくて、How(どういう状況で売り買いされるか)というのが問題なのだと思います。
私はできたら、まあ、あくまでもできたらの話ですが、劣悪な環境にいる馬をうちに連れてきて調教してあげて、そしてかわいがってくれる良いオーナーを見つけて、引き渡してあげたいと思っています。まずは最近では、黒チビちゃんがそのケースでした。社会全体を変えることはできないけど、自分に手が届くことで最大にできることをコツコツとやっていきます。
自分の手が届くことをする。やれる範囲で最大限のことをする。問題はどんなことであっても、一人一人がそう思って行動することができれば、極端な話、世界には貧困とかもなくなるのでしょうね。でも、自分のイデオロギーを人に押し付けたり、白か黒かどっちが正しいか間違っているか決め付けて、自分の理想に反したことをしている人をジャッジすることで、これまた極端な話、世界では戦争が起こったりするんじゃないでしょうか。
でも世界は白か黒に分けられるものじゃない。白と黒の間で状況や様子を見ながら、柔軟に適応してその都度ベストだと思うことをする。何がベストと考えるかは人それぞれの選択で、人の選択はリスペクトする。ただ、自分でベストだと思うことを努力して続ける。そんな姿勢で生きる努力をしたいと思います。このことは、私は馬たちから体感で学ばせてもらいました。が、私も人間なので、もちろん心の中で人をジャッジしていることもたくさんあります。
特に馬をはじめた頃、やっぱり質問された方と同じように、馬には乗らない方がいいとか思っていました。でも、実際に馬と関わるようになって、だんだんとその気持ちは変わってきました。それは馬たちを見てて変わってきたんです。例えば、怪我をして今は人に乗られてないルナですが、今年の春、5歳の子どものレッスンにルナを使ったら、彼女は役に立っていることがうれしかったように見えました。ほっておかれるよりも使われることの方が好きなようでした。
子どもだってお前は何もしないでブラブラしていればいいって言われるより、厳しいコーチに鍛えられて、辛いマラソンを完走できたら、ブラブラしているだけよりも生き生きするんじゃないでしょうか。馬もそれと同じじゃないかって思うんです。ただ、「やらせる」んじゃなくて、愛を持って「一緒にやろう」、「一緒にがんばろう」という気持ちが大切なんだと思います。
私はジェリーから怒鳴られっぱなしですが、でも愛を感じるから怒鳴られてもぜんぜん平気。怒鳴られても生き生きしちゃいます。しかも、教えているジェリーご本人は72歳のおじいちゃんなのに、こんなにもイキイキとしています。ずっとこの調子なんですから、ものすごいエネルギーです。
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