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馬と人間のコミュニケーションの世界をより良きものにするために
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ルーミー Rumi The Horse #2
ルーミー Rumi The Horse #3
その頃、干ばつが続いていたテキサスでは、草だけでなく巨大な木々までも、日に日に朽ち落ち、彼らの唸り声が聞こえるように、絶えていく様子が感じられた。自然に生えている草は緑色ではなく、あたり一面枯れ果ててベージュ色となり、放牧して飼われている牛や馬たちが食べる草がなくなっていた。そうなると持ち主は牧草を買わなければならない。
一見、人間によってコントロールされているように思える牧草の値段だが、雨が降る降らないという、天から自然に与えられる恵みによって変化する、需要と供給の変動は、人間にはコントロールすることができない。干ばつが続けば当然、牧草の値段も急騰する。そうなると、これまで自然に放牧して飼っていた、馬たちの維持費が跳ね上がり、多くの人たちが馬を手放すことになる。そうして最終的に馬の値段が下落していく。特に優れた血統の馬や、パフォーマンス・ホース以外のごく普通の・・つまり駄馬たちの値段は格段に下がる。更には無料の馬たちさえ多く出回るようになる。
よって、それら3頭の馬を譲り受けても、ロニーが支払ってもらえなかった調教代の足しにならないことは、彼が知らなかった訳ではない。しかしロニーはアンフェアーなトレードと分かっていながら応じた。そこには黒人だからという理由の他に、もっと重い理由があった。3頭の馬たちが、食べる草が生えていない土地に放棄され、餌を与えてもらっていず、痩せ細っていたのを見かねたのだ。自分が食べられない経験をした者にとって、他の生きるものの苦しみを見るのは辛いことだ。ただ幸いなことに、彼らには少なくとも血統書だけはついていた。
ロニーはそれらの馬たちを連れて来た後、餌を与え少しばかり肉付きをよくした後、買い手を探し、一頭200ドルで馬たちを手放すことにした。血統は悪くないため、すぐに貰い手を探せた。長く置いておけばそれだけ餌代がかかる。ロニーには馬を何頭も養う経済力はない。なのでいち早く売らなくてはならなかった。しかし一番小さな馬は200ドルでも買い手がなかった。無料で馬が出回っている時期に、この馬をタダでも貰ってくれる人はいない。痩せ細った馬で、成長が止まっていたため背が低く、栄養失調のため毛並みはガサガサ艶がなく、しかも猜疑心が強く、人間に近づこうとしない馬など、普通に考えたら欲しいと思う人はいないだろう。
しかしロニーは言った。「この子が一番運動神経がいいんだよ。だけど馬たちが走っているのを見るだけじゃ、誰もそれに気づかないんだ。こいつは自分の馬にしたいくらいだけど、こんなチビだと俺のサイズじゃ乗るのは無理だな。」彼は昔、プロ野球の選手だったことがある。体がすごく大きいのだが、脂肪で大きいのではなく、筋肉でガタイがいい人なので、確かにこの貧弱な馬を見たら、ロニーに乗られる馬にはなれないだろうと思えた。
私はロニーの状況をサポートするため、ルーミーをうちで一時的に預かることにした。そして皮肉にも、うちに来た後すぐに顔の一部が腫れてきた。目の下で鼻の脇のあたりが、数日で突出して膨らんできたのだ。動物病院に連れて行くと、奥歯を抜かなければいけないだろうとのこと。馬のレントゲンが撮れる別な動物病院で見てもらうと、炎症している歯を抜くのに1000ドルは費用がかかるということだった。炎症した歯を治療せずに、ハミを使う乗馬になるのは無理な話だ。
かと言って、駄馬で成長が止まっていたルーミーに、金無しのロニーが借金して1000ドル工面し、治療に当てるとは考えられなかった。となると、私の手元にいるこの馬は、何らかの形で近い将来処分されることになる。そう考えたらうちで引き取るしかない。なんとも絶妙なタイミング。もしうちに来る前に顔が腫れていたら、いくら私でもルーミーを預かるボランティアは申し入れていなかっただろう。
このように様々なことが重なり、ルーミーは私が引き取ることになった。まるで電線の中でパチパチっと火花を放って電気の流れを変えるように、ひょんなことから生きるコースが変わる。電線の中に(アタチは生きたいのよ!)とエネルギーを放ち、電線を変えて運命を変化させてきたのは、ルーミー自身だったのではないか?動物でさえそんなことができるのか?馬でさえ生きようというエネルギーの火花を放ち、運命のコースを変えることができるのか?
続く・・
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